行政書士試験の主戦場は行政法|6〜8月に得点源へ変える勉強法

資格試験(行政書士)

50歳になるにあたり、現状から抜け出すために一念発起して、行政書士試験に独学・初学者で挑み、一発合格した中年男性の筆者です。

5月が終わり、6月に入ると、行政書士試験の本番が少しずつ現実味を帯びてきます。ここから8月までは、確かな得点源を作り、苦手分野を潰すための最後のまとまった期間です。

今回は、行政書士試験の主戦場である行政法について、私がこの時期に実際に取り組んでいた勉強法をまとめます。

結論から言うと、行政法は「なんとなく理解している」だけでは点になりません。記憶の精度を上げ、問題文の論点を読み取り、速く正確に処理できる状態まで持っていく必要があります。

まずはミニ問題:この記述は正しい?

行政法の記憶の精度を試すために、まずは次の問題を考えてみてください。

問題:行政手続法において、行政庁は審査基準を定めるよう努めれば足り、これを公にする義務まではない。

正しいでしょうか。誤りでしょうか。答えは記事の最後に書きます。

こういう「義務なのか、努力義務なのか」「公開なのか、公にするのか」といった細かい違いを正確に押さえることが、行政法で安定して点を取るうえで非常に重要です。

行政法は行政書士試験の主戦場

行政法は、行政書士試験で最も配点が高い分野です。

五肢択一19問、多肢選択2問、記述式1問が出題され、配点は五肢択一76点、多肢選択16点、記述式20点。合計で112点あります。

試験全体が300点、合格基準が180点であることを考えると、行政法を安定した得点源にできるかどうかは合否に直結します。

一方で、行政法は憲法ほど抽象的な論点理解を求められるわけではなく、民法ほど範囲が広大でもありません。正しい方向で反復すれば、比較的得点に結びつきやすい科目だと感じています。

模試では19問中12〜13問で伸び悩んだ

私自身、行政法に強い苦手意識はありませんでした。むしろ、他の科目に比べれば分かりやすい分野だと思っていました。

それでも、5月、6月は模試を受けると五肢択一19問中12〜13問程度でとまってしまい、「分かっているつもりなのに、点数が伸びない」。この状態が一番危険です。

そこで模試の解答を確認し、Web解説も視聴しながら、失点の原因を分解しました。

  • 知っているのに正答できていない論点:約6割
  • 勉強しても見たことがなかった論点:約2割
  • ケアレスミス的な失点:約2割

つまり、最大の問題は「知らないから解けない」ではなく、知っているはずなのに正確に使えていないことでした。

失点原因1:記憶があいまい

行政法でまず潰すべきなのは、記憶のあいまいさです。

たとえば行政手続法で、「審査基準は定める義務があるのか」「公開は義務なのか努力義務なのか」といった基本論点があります。テキストを読んだときには分かった気になります。しかし、本番形式の問題で少し表現をずらされると、急に迷います。

私がやった対策はシンプルで、肢別過去問集をひたすら繰り返すことでした。ただし、漫然と正誤を確認するだけではなく、正解した問題でも解説を読み、周辺論点まで確認しました。

  • 義務なのか、努力義務なのか
  • 書面なのか、口頭でもよいのか
  • 公開なのか、公表なのか、公にするのか
  • 行政庁なのか、処分庁なのか、審査庁なのか

こうした「ごちゃごちゃしやすい部分」は、テキストの表やまとめも活用しながら、意識して記憶に刻みました。

失点原因2:知識を問題文の中で使えていない

もう一つの原因は、知っているはずの知識を、問題文の中でうまく使えていなかったことです。つまり、論点が読めていない状態です。

独学の弱点は、テキストの文章をそのまま覚えようとしてしまうことです。私も最初は、条文や解説を文字として覚える感覚が強く、少し難しい言い回しや知らない単語が出てくると、問題文の中で何を問われているのか見失うことがありました。

この対策として役立ったのが、無料の解説動画やYouTube講義でした。難しい語句を講師が分かりやすい言葉に変換してくれることで、「つまり何を聞かれているのか」が見えやすくなりました。

大事なのは、動画をただ聞き流すことではありません。講師が言い換えた表現を、自分でもまねしてみることです。

6〜8月は行政法を安定得点源にする時期

6月から8月は、行政法を伸ばすには非常に重要な時期です。

直前期に入ると、記述対策、一般知識、商法・会社法、模試の復習など、やることが一気に増えます。行政法の基礎が不安定なまま9月以降に入ると、精神的にもかなり苦しくなります。

この時期に目指すべきなのは、行政法を「得意科目」と言い切れる状態ではなく、大きく崩れない科目にすることです。五肢択一19問で、最低でも15問前後を安定して取れる状態に近づけたいところです。

私が意識した行政法の勉強サイクル

私がこの時期に意識していた流れは、次の通りです。

  1. 肢別過去問集を解く
  2. 間違えた問題だけでなく、正解した問題も解説を読む
  3. 周辺論点をテキストの表で確認する
  4. ごちゃごちゃする部分を自分の言葉で整理する
  5. 模試で分野別に失点原因を確認する
  6. 次の模試までに「絶対に落とさない論点」を決める

特に重要なのは、模試を受けた後です。点数だけを見て一喜一憂するのではなく、「なぜ落としたのか」を必ず分類しました。記憶があいまいだったのか、論点が読めなかったのか、ケアレスミスだったのか。ここを分けるだけで、次にやるべき勉強がかなり明確になります。

模試をベンチマークとして使う考え方については、こちらの記事でも詳しくまとめています。

「ベンチマーク」の真の意味を知らないと損!行政書士LECの模試パック7回完全活用法

ミニ問題の解答

最初の問題に戻ります。

問題:行政手続法において、行政庁は審査基準を定めるよう努めれば足り、これを公にする義務まではない。

答えは、誤りです。

行政手続法では、申請に対する処分について、行政庁は審査基準を定めるものとされ、これを公にしておかなければなりません。一方で、処分基準については、定めること自体が努力義務にとどまります。

区分定める公にする
審査基準義務あり義務あり
処分基準努力義務努力義務

この違いは、行政手続法の典型的なひっかけポイントです。「見たことがある」「なんとなく分かる」ではなく、義務なのか努力義務なのかまで正確に言える状態にする。これが行政法で点を積み上げるための第一歩です。

まとめ:行政法は記憶と読解の両方で点になる

行政法は、行政書士試験の主戦場です。配点が大きく、ここを安定させることが合格に直結します。

  • 行政法は合計112点あり、最重要科目
  • 理解しているつもりでも、記憶があいまいだと失点する
  • 問題文の論点を読めないと、知識を使い切れない
  • 肢別過去問集は、正解した問題の解説まで読む
  • 6〜8月は行政法を安定得点源にする最後の重要時期

行政法は「とにかく暗記」と言われることもありますが、実際には暗記だけでは足りません。正確な記憶と、問題文の論点を読み取る力。この両方がそろって、初めて安定した得点源になります。

6月から8月の過ごし方で、秋以降の模試の点数も、本試験当日の安心感も変わります。今のうちに行政法を固めて、合格に向けた土台を作っていきましょう。


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