行政書士の民法で迷走した話|9問中4問から7問に伸ばした「範囲を絞る」独学法

資格試験(行政書士)

50歳になるにあたり、現状から抜け出すために一念発起して、行政書士試験に独学・初学者で挑み、一発合格した中年男性の筆者です。いま、独学で行政書士試験に挑戦している、みなさんのお役に立てればうれしいです。

合格までの道のりで、私が一番「迷走」したのが民法でした。範囲が膨大で、勉強しても勉強しても手応えがなく、模試では9問中4〜5問で止まったまま。「このままで本当に受かるのか」と何度も不安になりました。

それでも最終的に、本番では民法を9問中7問正解できました。今回は、私が民法でどう迷走し、どうやって抜け出したのかを、当時の生々しい感覚も含めて正直に書きます。同じように民法で苦しんでいる独学受験生のヒントになれば嬉しいです。

民法で迷走していた頃の話

最初に民法でつまずいたのは、そもそも問題文の前提が読み取れないということでした。

特に苦しんだのが無権代理、そして土地・建物の賃貸借です。「誰が誰に対して、どんな権利を主張しているのか」という登場人物の関係性がうまく頭に入ってこない。問題を読み終わっても、わかったような、わからないような——そんなモヤモヤした状態がずっと続いていました。

さらに厄介だったのが、債権者代位権のように「権利関係がもめているときに出てくる権利や要件」です。AがBに、BがCに……と関係者が増えると、誰のどの権利の話なのかがごちゃごちゃになり、頭の中が整理できませんでした。

模試で9問中4〜5問。時間も足りない

この「わかったようなわからないような」状態は、当然そのまま点数に表れます。模試では民法9問中4〜5問で停滞。何回受けても、ここから上に抜けられませんでした。

しかも問題なのは正答率だけではありません。模試を受けていて強く感じたのが、民法に時間がかかりすぎていることでした。問題文にわからない語句が出てくるたびに立ち止まり、考え込んでしまう。結果として民法だけで時間を大きく消費し、他の科目を圧迫していたのです。

行政書士試験は全体で300点満点、合格ラインは180点。民法は5肢択一が9問・記述が2問出題され、配点は択一36点+記述40点で計76点と、行政法に次ぐ大きな比重を占めます。ここを取りこぼすと合格が一気に遠のく——頭ではわかっているのに、点が伸びない。これが当時の一番の焦りでした。

迷走の正体は「民法を丸ごと攻略しようとした」こと

振り返って気づいたのは、迷走の正体は「民法という巨大なくくりを、まるごと理解しようとしていた」ことでした。

民法は条文だけで1000条以上あり、出題範囲も総則・物権・債権・親族・相続と非常に広い。行政法のように「ここが主戦場」と的を絞りにくく、漠然と全体を眺めていると、どこに立っているのかわからなくなります。

当時の私はまさにこれで、「民法が苦手」という大きすぎる主語のまま、なんとなく全範囲をぐるぐる回していました。これでは、どこが固まっていて、どこが穴なのかも見えてきません。沼にハマるのも当然でした。

ちなみに、配点最大で「主戦場」と呼べる行政法については、別記事で対策をまとめています。性格の違う2科目をどう攻めるかの参考にしてください。

行政書士試験の主戦場は行政法|6〜8月に得点源へ変える勉強法

抜け出せた方法——小さな単元ごとに潰していく

迷走から抜け出すきっかけになったのは、発想の転換でした。「民法」という大きなくくりで考えるのをやめ、小さな単元ごとに強化していくことを徹底したのです。

具体的にやったことは、次の3つです。

  • 単元単位に分解する:「民法が苦手」ではなく「無権代理が苦手」「賃貸借が曖昧」と、つまずきを小さな単元レベルまで細かく特定する。
  • 肢別過去問集を反復する:特定した単元を、肢別過去問集で繰り返し解く。1問ごとに「なぜ◯か」「なぜ×か」を即答できるまで何度も回す。
  • 模試のやり直しと解説で定着させる:模試で間違えた問題は、解説をじっくり読み込み、同じ論点を肢別に戻って潰す。間違いを「次は取れる知識」に変えていく。

単元を小さく区切ると、「今日はこの単元を固める」という目標が明確になり、潰した手応えも積み上がっていきます。あれほどごちゃごちゃしていた債権者代位権も、関係する権利・要件を一つずつ整理し直すことで、少しずつ「読める」ようになっていきました。

なお、肢別過去問の具体的な回し方や科目順については、こちらの記事でも詳しく書いています。

行政書士の勉強の始め方|初学者が取り組んだ科目順と肢別過去問の使い方

「確実に取れる範囲」を作って、少しずつ広げる

この経験を通じて私がたどり着いた民法攻略のイメージは、「膨大な民法の範囲から、自分が確実に点を取れる範囲を作り、その範囲を少しずつ増やしていく」という考え方です。

最初から民法全体を支配しようとすると、必ず沼にハマります。そうではなく、まず「ここは絶対に落とさない」という確実な土地を一区画作る。次にその隣を耕して、また確実な土地にする。これを繰り返して、得点できる領域を面で広げていくのです。

この「自分の現在地と弱点を可視化して、確実に潰していく」という発想は、模試の使い方にも直結します。模試をベンチマーク(基準点)として活用する方法は、別記事で詳しくまとめました。

「ベンチマーク」の真の意味を知らないと損!行政書士LECの模試パック7回完全活用法

どうしても独学で苦手が潰せないときは

とはいえ、民法のように範囲が広く、登場人物の関係や要件でつまずきやすい科目は、独学だとどうしても遠回りになりがちです。私自身、無権代理や債権者代位で「誰かに一度整理して説明してほしい」と何度も思いました。

もし特定の科目だけが足を引っ張っているなら、その科目に絞った単科講座を使うのも有効な選択肢です。アガルートは科目・分野単位で受講できる講座があり、独学のベースは保ちつつ、苦手な民法だけプロの解説で補強するといった使い方ができます。費用を抑えながら弱点をピンポイントで潰したい独学者に向いています。

アガルート 行政書士講座

また、「いきなり有料講座はハードルが高い」という方には、資格スクエアもおすすめです。資格スクエアは一部の講義を無料で視聴できるので、お金をかけずに「プロの解説ってこんなに違うのか」という感覚をまず体験できます。私が民法でつまずいた無権代理のような論点も、わかりやすい講義で一度整理してもらえると、その後の独学が一気に楽になります。

特に資格スクエアの森T(森広志)講師の講義は、初学者にも噛み砕いた説明で定評があります。まずは無料分だけでも見て、自分に合うか確かめてみてください。

結果——本番は民法9問中7問

小さな単元を一つずつ潰し、確実に取れる範囲を地道に広げていった結果、本番では民法を9問中7問正解することができました。模試で4〜5問に停滞していた頃を思えば、大きな前進です。

ちなみに、本番では確実に合格するためには、9問中6問は正解したいところです。

なお、行政書士試験の記述式は行政法・民法あわせて3問が出題され、記述式全体の合計点として採点・公表されます。そのため、民法の記述だけで何点取れたのかは正確にはわかりません。本記事で触れている「9問中7問」は、あくまで5肢択一式での結果である点はご了承ください。

本番の得点内訳や、自己採点の結果については、こちらの記事にまとめています。

行政書士試験の自己採点結果と本番の解答戦略【記述抜き188点】

まとめ:民法は「全部」ではなく「確実な範囲」から

民法で迷走していた私を救ったのは、特別な裏技ではありませんでした。

  • 「民法が苦手」を、小さな単元レベルまで分解する
  • 肢別過去問集と模試のやり直しで、単元ごとに確実に定着させる
  • 確実に取れる範囲を作り、その範囲を少しずつ広げていく

範囲が広い民法だからこそ、全部を一度に攻略しようとせず、確実な土地を一区画ずつ増やしていく。遠回りに見えて、これが一番の近道でした。同じように民法で迷走している方は、ぜひ「単元を小さく区切る」ことから試してみてください。

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