50代男性として、行政書士試験に挑んでいた筆者が実際に使い倒した勉強法を紹介します。LECの模試パックは7回分の模試が含まれていますが、「とりあえず受けて、点数を確認する」だけでは本来の価値の半分も活かせていません。「ベンチマーク」として使うという視点を持つだけで、模試が合格への最強ツールに変わります。
著者は、50歳になった年に、法律関係について全く知識のない状態から、独学・初学者で行政書士試験を受験し、一発合格することができました。今回は、独学で受験に挑んだ経験に基づき、記事にしました。
「ベンチマーク」とは何か
ベンチマークとは、自分のその時点での得点力を、科目・分野別に精密に把握することです。「今回は180点だった」という総合点の確認に留まらず、「行政法の行政手続法は8割取れているが、行政不服申立ては5割しか取れていない」というレベルまで細分化して分析します。
ITや経営の世界でも使われる「ベンチマーク」という概念は、現在地を正確に計測し、改善の優先順位を決めるためのものです。模試はまさにこの目的にぴったりの道具です。単なる「腕試し」ではなく、「現在地の精密診断」として位置づけましょう。
7回の模試を時系列で活用する
LECの模試パックが7回もある理由は、試験本番まで継続的にベンチマークを取り続けるためです。筆者の実際の活用パターンを紹介します。
前半(1〜3回目):行政法の得点力を固める
行政書士試験は行政法の配点が最も高く、ここを得点源にできるかどうかが合否を大きく左右します。前半の模試では行政法の分野別スコアを丁寧に記録し、どの単元が弱いかを把握することに集中しました。
模試を受けたら、行政手続法・行政不服申立法・行政事件訴訟法・国家賠償法などに分けてそれぞれの正答率を記録。次の模試までに「この分野は絶対落とさない」という目標を1〜2個設定して勉強しました。
中盤(4〜5回目):民法の精度を上げる
行政法の得点が安定してきた中盤からは、民法に重点を移しました。民法は出題範囲が広く、苦手分野が人によって大きく異なります。筆者の場合、相殺・無権代理・表見代理のあたりが特に弱かったです。
模試でこれらの分野が出題されて失点するたびに、「次回は絶対取る」と宣言して集中的に復習しました。ベンチマーク思考の核心はここにあります。失点した問題を「恥」ではなく「次の模試までの課題」として捉え直すことです。
後半(6〜7回目):会社法など残り科目を総仕上げ
後半の模試では、商法・会社法など後回しにしがちな科目に焦点を当てました。試験まで残り時間が少ない中でも、模試の結果を見ながら「今ここを強化すれば何点上乗せできるか」を逆算して勉強の優先度を決めました。
7回目の模試を終えた時点で、各科目のベンチマークが出揃います。本番までの残り日数で何を優先するかが、データに基づいて明確になっているのが理想的な状態です。
模試後にやるべき「ベンチマーク分析」の手順
模試を受けた直後にやってほしいことを具体的にまとめます。
- 科目・分野別に正答率を記録する(Excelやノートでシンプルに)
- 前回の模試と比較する(上がった分野・下がった分野を確認)
- 次の模試までに「絶対落とさない」分野を1〜2個決める
- その分野だけに絞って集中的に問題を解く(肢別過去問が効果的)
- 次の模試でその分野の結果を確認する(PDCAを回す)
このサイクルを7回繰り返すことで、試験本番までに全科目の弱点が潰れていきます。「なんとなく勉強している」状態から、「データに基づいて最短で合格点に近づく」勉強に変わります。
模試パックはただの「練習」ではない
多くの受験生が模試を「本番の練習」としか捉えていません。もちろんそれも大切ですが、ベンチマークとして使うという視点が加わると、模試1回ごとの価値が劇的に上がります。
7回分の模試は、7回分の「現在地診断」であり、7回分の「次の目標設定の機会」です。この繰り返しが、試験本番での得点力の底上げに直結します。筆者はこの方法で、各回の模試後に明確な目標を持って勉強でき、本番では自信を持ってスタートラインに立てました。
LECの模試パックは、受験生の中でも評判が高く、本番さながらの問題クオリティが特徴です。早めに申し込んで、計画的にベンチマークを取り続けることをおすすめします。
まとめ
- 模試パックは「練習」ではなく「ベンチマーク(現在地診断)」として使う
- 科目・分野別に得点を記録し、弱点を数字で可視化する
- 前半は行政法、中盤は民法、後半は会社法など時系列で重点科目を変える
- 模試後に「次の模試まで絶対落とさない分野」を決めて集中的に復習する
- 7回のPDCAサイクルが、本番での得点力を着実に底上げする
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